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昼寝を始めたボクの頭に、問答無用でゲンコツを決めたももちゃん先生の授業も終わり、次の授業は寝て終わったので時はすでに放課後
「おはよう愛流ちゃん。逃げよぅ」
「ええ!?と、突然だね…何で?何から逃げるの」
戸惑う愛流ちゃん。ま、当然の反応だよね…でも時間はもう余り無い
「よし、こっちに隠れよう」
ボクは愛流ちゃんの手を引いて教室の端まで行く、目指すは掃除ロッカー
「お、ワタヌキちんとラブっちゃんが掃除ロッカーに逢い引きに行くぞ」
クラスメートの一人が目ざとくボクらを見付ければ、残ってたみんなもこっちを注目する。
アダ名のセンスにはビックリしたけど
「愛すべきクラスメートの諸君。ボクと愛流ちゃんは二人の愛を切り裂く魔の手から逃れるべく、旅に出る。誰が訪ねて来ても、遠くに行ったと伝えてほしい」
そして、演技がかった仕草で一礼
すると拍手が湧き上がった。みんな笑いながら合わせてくれる。ヒューヒュー。お幸せにーといった声も挙がる
そして、ロッカーに入って数秒もしない内に教室のドアがスパァンと、勢い良く開く
「ひかるさんは、いらっしゃるかしらー!」
来た。ロッカーの隙間から教室内を覗くと、あの人――伊集院 卯月先輩が満面の笑みで立っていた
教室内がどよめく。みんなの憧れ、学園の正義のヒーローが来たんだからね
きゃーっ卯月様よ~
さっきは格好良かったっす
卯月さーん!俺だー!結婚してくれー!
伊藤ォ!卯月様に近付くんじゃないわよ!コラァ!
グハァ!
なんて、相変わらず人気だね
「ふふ。楽しいクラスですわね…それで、ひかるさんは?」
「卯月さん。ワタヌキちんは……遠くに、行っちまったのさ」
先程ルパンダイブに失敗した、いとー君が遠い目をして言った。クラスのみんなも優しい目で頷いてる。ありがとう。みんな
「遠く…具体的にどこですの?」
ビシッ!
クラスの全員が完璧なタイミングで掃除ロッカーを指差す
あっさり裏切られた!いやいやいや、てゆーか何そのシンクロ率。流石はこのクラスってとこ!?
「ひかるさん!ごきげんよう」
「……こんにちは、先輩」
「? 何しているんですの、こんな所で」
「えと」
先輩から逃げていたんです。とは言えないよね。苦し紛れについ言ってしまった
「掃除でもしようかな~なんて。あは」
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