警告いち!最凶の正義の味方

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 教室の出来事から一時間が経った  ボクの一言に先輩は、  「それは良いことですわ!」  なんて、率先して教室を掃除し始めた。先輩一人にやらせる訳にもいかなくなって、結局みんなで掃除をする羽目に… …  学校全体を掃除、なんてならなくてよかった  兎にも角にも先輩はこういう風に、無意識に他人を巻き込むところがある まさに、〝自己突撃型難事台風(ヒューマノイドタイフーン)〟  ボクは静かに昼寝をして暮らしたいだけなのに  「じゃあ先輩。掃除も終わった事ですし、ボク達はこれで――」  「そうですわね。早速本題に入らせてもらいますわ」  帰る。までは言わせてもらえなかった  「今日 訪ねたのは他でもありません。執行部の仕事を手伝ってほしいのです」  やっぱり……  先輩はボクのトラブル回避の『能力』を知っている。そして、あろうことかあの人はその特性を逆に利用しようとしている  〝難事警告(トラブルアラート)〟ボクにとって厄介事――危険な事、人物は勿論。ボクが、巻き込まれる可能性のある何らかの要因を報せる『能力』  ボクなら逃げて、避けて、スルーする出来事を  先輩は退かず、向かい、解決しようとする  「先輩。悪いんですが」  「先輩の手伝いって事は、人助け。善い事なんですよねっ」  愛流ちゃんにセリフを被されてしまった。じゃなくて、この展開はマズい  「愛流ちゃ~ん。実はボクは、今すぐ寝ないといけない病にかかっていて」  「卯月先輩!私も手伝わせてもらって、いいですかっ!」  「勿論ですわ!助かります愛流さん」  ガシッと手を取り合う二人。そのままこっちを見る  「ひかるさん?」  「ひかるちゃん?」  ……。ああ、どうやら詰んでしまったらしい
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