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「……ああ、先輩。前の十字路、曲がったとこ100m。柄の悪い方々に誰かカラまれてます」
ボクの一言に先輩は吹っ飛んでいく
これがボクの手伝い
『執行部』の仕事と言っても、ボク達がするのは先輩が自主的にしている事――学区内の人助けである
「わ、もう終わってる」
ボク等が着いた頃には、現場は制圧されていた。既に先輩は、不良の方々に正座をさせ説教を始めていた
「そこのお兄さん。今の内にね」
呆然としていた被害者らしき人を、この隙に逃がしておく
「もう弱い者イジメなんかしてはいけませんわよー」
そして先輩が不良の方々(やんちゃな人達)を解散させると、このトラブルは取り敢えず解決かな
「お疲れ様です。先輩」
「何て事はありませんわ。皆が笑って過ごせる為ですもの」
にこっと綺麗な笑顔を浮かべる。この人は本気何だろうなぁ
「っと、前方のおばあちゃんが歩道橋を渡るのに苦労してます」
「あ、私行ってきます!」
新たなトラブルの反応に、今度は愛流ちゃんが駆け出して行った
「良い娘ですわね。愛流さん」
おばあちゃんに、優しく声を掛けている愛流ちゃんを見ながら、先輩がボクの隣に並ぶ。満足気な表情で
「当たり前じゃないですか。とっても良い娘です……あげませんよ?」
「ふふっ。それは残念ですわ」
なんて笑いながら愛流ちゃんの所に歩いて行く先輩
「……まぁ。先輩程じゃないですけどね」
ボクは呟いて二人の後を追いかけたのだった
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