朝比奈会長の憂鬱

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須磨武羅学園高等部。 駅から歩いて徒歩15分。 特別荒れてるって訳でもないし、バリバリの進学校でもない。そんな高校。 春がすぎ、梅雨のじめーっとした空気がもわっとくる頃。 ここは今ちょっとした危機を迎えていた。 「か…会長!?今なんと…」 「だーからぁ。解散っていってるの。聞こえなかったかな。」 机の上に置いてあるパソコンから目を離すことなく冷たく言い放つ。 「おい朝比奈!!どういうつもりだっ」 「だーかーら。つまんないんですよ。貴方がたは。帰って下さい。もう仕事無いですから。」 「貴様っ…!!」 がたん。 いきなり襟首を掴まれる。無理もないか。だって僕のわがままのせいなんだから。でも僕は悪くない。……はず。 「離して下さい。苦しいです。先輩。」 「黙れ!!オレは…貴様が会長なら引き受けると言ったから仕方なく会長の座を」 嘘。嘘ばっかり。人に押し付けたのはそっちのくせに。みんなそうだ。他人なんてお構いなし。どうでもいいなんて思ってる。 「しつこいですよ。貴方のそういう所嫌いだったんです。」 「んだとぉ……!?」
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