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食堂は相変わらず混んでいた。
そんな人の波を書き分け、僕らは券売機に向かった。
ふと横を見ると、この混雑にトレイを持ったまま戸惑っている一年生らしき男の子がいた。
かわいそうだな、と思いつつ、僕はカウンターでトレイをもらって行こうとした。
だが、その男の子はまだ居た。
気になり、しっかり見たら、友也くんだった!
理樹「おはよう、友也くん。どうしたの?」
友也「あ、理樹さん。おはようございます。実は席を探していて」
理樹「じゃあ僕達と同じところで食べる?」
たしか、恭介が卒業したのに、まだ、恭介のスペースが空けられていたはずだ。
だから友也くんをそこに座らせてあげようと思った。
友也「えっ、いいですよ。そんな」
理樹「でも、空いてる場所あるの?」
友也「…」
理樹「そんなに遠慮しなくていいからさ。どうせ一つ席が空いちゃってるんだし」
友也「じゃあ、お願いします」
理樹「わかった。こっちだよ」
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