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「……すぅ…――」
話を聞くと、紗弥くんは今日、朝早かったらしい。
そして雨に濡れて、身体が色んな意味で暖まって、今は俺の腕の中でぐっすりだ。
綺麗な顔、睫毛長いし…
肌も白くてさらさらしてる…
今の紗弥くんはバスローブ一枚でしかも緩くはだけている状態…
いつもの俺なら今すぐにでも剥ぎ取って襲っちゃうところだけど…
さっきの紗弥くんの泣いている顔を思い出すと、そんな欲望はすぐにどこかへ行ってしまう。
脳裏に焼き付いてしまった。
でも、これで良かったのかもしれない……
「これで、もう紗弥くんに無理矢理求めるようなことはしない…」
否、できない…と思う。
だけど、こんなの今更だよね…
もう酷いことしたんだし……
無理矢理身体を求めて、挿れてはいないけど痛い思いはさせてしまった…、写真まで撮って…こんなの脅しだ。
俺は、これから
変われるだろうか…
紗弥くんの気持ちを、手に入れられるだろうか…
傷付いた心を、癒せるだろうか…
「紗弥くん…」
抱き締める腕に少しだけ力を入れる。
わかってしまった
そして認めた
興味だけではなくなってしまった
俺は紗弥くんが本気で好きだ。
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