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―――――― 授業なんて耳に入らない。板書する気力もなく、俺は机に肘を付き顎を支え、ぼーとしていた。 ぼんやりと、さっき満月が言った言葉の意味を考える。 …大変なこと…か。 どんなことだ? 苛めとか?それくらいしか思い付かない…実際にそんな目に合ってないからわかんない。 満月が言っていた通り、俺は美人だ。うん、自分でも認めるくらいの…否定したところで嫌味にしか聞こえないしな。 小さい頃からこの容姿で損なことなどなかった。 モテるし、無条件で優しくされるし、多少の我が儘だって聞いてくれる。 顔目当て…そんな奴もいたけど、それは別に気にしない。 この体質のせいですぐにどっか行ったしな、好都合だ。 それでも側にくる奴は、興味なくなったらこっちからバッサリ。 当たり前の行動になっていた。    
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