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翌日、俺の生活は元に戻った。
今まで通り…何も変わらない、ただ元に戻っただけなんだ。
だからおかしいことなんてない…寂しいなんて、思っちゃダメだ。
「なぁっ紗弥!」
「…!」
「聞いてんのかよ?」
…何…話してたんだっけ。
ボー、としたままの表情を満月に見せると、呆れた様に溜息をつかれた。
「またかよ、朝も昼もボーとしてさ…」
金髪青眼と昼をともにしなくなってから、俺は今まで通り満月と食べたり、たまに食堂で一人で済ませていた。
弁当は…二人分作っていたのが慣れてしまったせいで、いつも量を多くしてしまう…食べきれないから作るのが勿体なくなった。
「今日も弁当じゃないんだな…」
「…うん」
「…あの先輩」
「うるさい」
やめてくれ…ごめん、謝る…
でも、アイツの話をされると…
「っ…」
「おい、紗弥!?」
「気分悪いっ…」
泣きそうになるんだ…
…はぁ…、俺いつからこんな涙脆くなったんだよ…
HRを抜けて廊下を歩く。まだどこの教室も終わってなくて、静かな空間になっていた。
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