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――――――
荷物取りにってことは、もういないかもしれない…行っても無駄?
それに俺が行ったって、また逃げられるかもしれない…避けられるかもしれない…
目も、合わせては……
「……」
そんなことばかり考えてしまう。
金髪青眼の教室はもうすぐそこ…でも、脚が止まる。
…怖い、何でこんなに怖いんだ…かもしれないだけで、実際普通に接してくるかも…
「とま…れ…っ」
身体の震えが止まらない、何だかふらふらするし、眩暈も…
俺はいつの間にか一人で立ってられなくなり、壁に身体をあずけていた。
そっと、耳を澄ませてみる。
廊下は誰一人いなくて、凄く静かだった。
そして、その先の教室も…
…やっぱりいない、か……
小さく溜息をつくと、来た道を戻ろうと身体をゆっくり方向転換させる。
ゆっくりと歩き出した
瞬間………
―ドンッ!!
「わっ…!?」
「っう…」
何かに勢い良く押されて、俺は廊下に倒れこんだ。
否、叩きつけられたとも言う…
自分の体重だけならまだしも、何かが上に乗っかるようにして倒れたもんだから、かなりの衝撃だった。
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