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約束の時間まであと五分…
俺はかなり急いでいた。
「あー…もう…まさかこの俺が二度寝するなんて…」
かなり楽しみでかなり興奮してしまって寝付けなかったが、いざ寝入るとアラームにしていた携帯を放り投げ二度寝。
こんなこと初めてだ……
時間にルーズなのは自分でも自覚していることだが、遅刻したらやばい!て時はちゃんと起きれてたのに…
本当に興奮状態だったんだな…、まぁ今後悔してもしょうがない…
俺は少しでも早く待ち合わせ場所に急いだ。
…ぎ、ギリギリセーフ……
待ち合わせ時間に何とか間に合い、軽く走って疲れたため噴水の縁に腰掛けた。
呼吸が整うと顔を上げ、周りを見渡す。紗弥くんがいるか探した…
昼間なのか人が多い、でもあんな美人で綺麗な紗弥くんを見間違えるわけがない。
そう思って探すも…
「…やっぱ来てないか…」
姿は見当たらなかった。
うん…思っていたよりショック…かもね…でも、待つと決めた。
何時間でも…待つと決めたんだ。
俺は噴水の縁に腰掛けたままずっと辺りに目を向けていた。
…そうしたまま、時刻は三時を示そうとしていた。
「…三時間か…あー…本でも持ってくれば良かった…」
携帯と人間観察だけでは時間を持て余してしまう。
よし、今度からは本を…なんて…今度があるかは知らないけどね。
そんなことを思っていると視界が薄ら暗くなったことに気付いた。
…雨降るかな……
そう感じた俺は、傘を買いに行くことにした。
買いに行って帰ってくるなんてほんの数分だろうと、そう思い俺は待ち合わせ場所から離れた。
そして、後から後悔することになる…どうしてこの後、もっと冷静でいられなかったのかと…
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