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「おーおー、今日もまた別れさせちゃったか」
「…満月」
後ろから陽気な声が聞こえて振り返る。
思った通り、満月がいて…その後ろに何故かS(満月限定)な数学教師がいた。
「本城、お前噂通りすごいな…」
その現場を初めて見たのだろう、いつもはあまり表情を崩さない先生が苦笑いを浮かべて言った。
すごい、て…そんなこと言われても困るんだけど…そう内心思う。
「じゃあ佐野、言った通り資料全部準備室な」
「!…は…あんな量無理って言ってんだろーが!」
また満月は振り回されているらしい、大声で否定をするも先生はひらひらと手を振り準備室の方へ去って行った。
「……紗弥…手伝っ」
「嫌だ」
「なんだよ!!昼一緒に食ってないんだからそれくらい!」
「食ってなくて何で手伝わなきゃいけないんだよ、意味わかんね」
キーンコーンカーンコーン……
少し涙目になっている満月の背中を押して行かせると、俺はいつもの場所に向かう。
あいつが待つ、屋上に…
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