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「?…紗弥くん」
「え…何…?」
「いんや…何か、見られてたから何か用事かなって」
…見てた?…
俺が、金髪青眼を…?
「な、何でもないっ」
「ならいいけど」
…やばい、俺…
気抜いたら見てしまう。
金髪青眼に、見惚れてしまう。
こんなことになるなんて…
全部こいつのせいだ!…
急に、優しくなるから…
金髪青眼は、あの時以来、俺に迫ってくることはなくなった。
と言っても、抱き付いてきたり頭撫でたりする等のスキンシップはなくならないが。
前みたいに強制ではない、押し倒してきたりキスを迫ったり、拘束なんてまったくだ。
撮られた写メなんて「あれ消したから」とか言って…
…あの時の表情は、こっちまで移ってしまいそうなくらい、謝罪の気持ちがこもっていた。
だから、俺も頷いただけで、こいつの側を離れない。
脅しの道具が無くなった今、俺が金髪青眼の言うことを聞く必要はなくなった。
でも、俺はここにいる。
自分の意志でだ。
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