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いきなり何なんだよ…
てかまたその事…?
いい加減にしろよ、あいつと俺は何でもない、まだ始まってもないし終わってもない……
見ただけの噂を広げられて嬉しい奴なんかいない!
「良かったぁ!」
「…は?」
これ以上ないってくらい嬉しそうに笑う緒方。
正反対に眉間に皺を寄せて感情を隠せない自分。
何がそんなに嬉しい…?
「あの先輩、見た目あんだけ綺麗で格好良いから有名だけど…その分遊び人って有名でもあるんだぁ…だから本城も遊ばれてたらどうしようかと…」
何、言いだすのかと思えばあいつの悪口かよ。
そんなことくらい知ってるよ、自分で言ってたしな…
でも本当は違ってた。
俺のこと傷付けたくないって言ってくれた…もうそんな奴じゃない…!
「本城変なことされなかった?大丈夫?」
そう言って俺の頬に触れようとした手を、俺は払い除けた。
「…本城?」
「触るな…」
俺に触れていいのは…
あいつだけ……
確信、…今、ピタリと何かが綺麗に合った気がした。
「…どうして?本城っ」
「っ!?」
緒方は信じられないと言う顔をして、いきなり俺に抱き付いた。
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