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一瞬、思考が止まってしまって、反応が遅れてしまった。
何故?
抱き付かれる理由がわからなくて、俺はすぐさま離そうと緒方の身体を押した。
しかし、こんな小さな…否体格は同じくらいなのに何なんだよこの力…!
押し退けようと腕を伸ばすも、それ以上の力で抱き締められた。
「緒方っ…離せ!」
「本城、どうして?…どうして嫌がるんだよぉ…」
「うるさ…いっ…離せっ」
どうやっても振りほどくことができない。
嫌だ、嫌だ、嫌だ!
これは……恐怖…?
あの時、金髪青眼に無理矢理された…あの出来事と同じ…
否違う…それ以上の恐怖が俺に降り掛かる。
あの時の俺は自分自身のことだけだった。どうしたらいいかを自分に問い掛け、誰に助けを求めるとかそんなこと一切考えていなかった。
でも今は……
「っ…離してくれ…」
あいつの顔が頭から離れない…
こんな時に…あいつを思い出す。
「本城、俺…本城のこと好きなんだ…初めて見た時から…」
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