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「紗弥くんダメだよ、俺みたいな奴に…恋人がやきもち妬いちゃったらどうするのさ」
弱々しく裾を掴んでいた手は、簡単に離されてしまった。
微かに触れた金髪青眼の手は、俺と違って温かかった。
もっと触れていたい……
そう思うのに、俺の手からスルリと逃げて行ってしまう。
「じゃあね、紗弥くん」
それが最後の言葉になるのか…
「……っ…!!?」
待って…!
呼び止めたい、呼び止めたいのに
俺は、呼び止めるための名前すら知らなかった。
だから…
「んっ……」
伝われよっ…伝われ!…
俺は金髪青眼の襟を思い切り引っ張ると、そのままの勢いで唇を重ねた。
あたった時少し痛みがあったが、そんなのすぐに消えていった。
初めてではない、俺からのキス。
前は無理矢理だった、嫌だった、心からしたいと思えなかった…
でも今は…
「ん…ふ……」
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