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「結構デス。あの猫はあの猫なリに今、そノ才能を開花させヨうとしてイルノで」
「どう見ても助けを求めてるけどね」
「……ふぁっく」
短く呟いて彼女は僕を突き飛ばした。
「邪魔だキザ野朗。自分ノ腸を拝見しテミるか?」
「難しい言葉を使われても理解が出来ない。何故なら僕は自他共に認めるバカだからな!!」
しばしの沈黙。
「別に胸を張るヨーナことジャナい」
「……はっ!確かにィ!」
激しく鬱。
進歩するには己を見つめなおすのだ、と父さんに言われてようやく自分が他人より少し頭の悪いバカだと気付いたのに一蹴された。
「もう、帰レ。本気で邪魔ダゾ、眼鏡」
「目の前にいるピンク(正確にはピンチ)な子猫を放っておけるほど冷徹な性格じゃないんだよ」
「?……あの猫ハどお見てもピンクじゃナイ」
首を傾げて、子猫を見つめながら女の子は僕の方へ振り向く。
「?……うん、白と黒だ」
何故かよくわからないが会話が噛み合っていない。
まぁ、些細なことだ。どうでもいいさ。
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