2015人が本棚に入れています
本棚に追加
ここまでくれば必然的に、足を踏み外す。最早お約束。
ただし、おぼろげな視界の中でも子猫だけは空中でつかんで、抱きしめる。高さは三メートルなかったし、死にはしないだろ。
念のため、ほとんど見えないながらも落下地点を確認しておく。
「コ、の!バカが!!」
それから驚愕。落下地点には両手を広げて僕を受け止めようとするニット帽の少女がいたからだ。
そのまま衝突。子猫を抱えている僕にはどうしようもできなかったし、夜でもないので能力も使えなかった。
重なり合うようにして僕と女の子が地面に転がり、その隙に子猫はどこかへ逃げる。
「ごめん、大丈夫?」
子猫が助かったのは良しとして、今は女の子の方だ。僕は彼女の上からどいてよびかける。
女の子は一瞬顔をしかめてから、捲くし立てるように怒鳴った。
「You are genuine and foolish. Act by thinking!!」
『お前は本物のバカだ!考えてから行動しろ!!』
英語?
「No, inadvertently in desperation……」
『ごめん、ついつい必死で……』
「Ne roulez pas je peu importe comment desesperement non plus!
Soyez seul mort sans autorisation」
『いくら必死だからと言って私を巻き込むな!!
やるなら一人で勝手に死ね!!』
今度はフランス語だ。いったい何ヶ国語喋れるんだ?
最初のコメントを投稿しよう!