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「なあ青維~聞いてる?」
「聞いてるよ。」
実は半分程しか
聞いていないが
面倒なので続ける。
「で、見るだろ?」
「何を?」
「やっぱり聞いて
ねえじゃん!」
「すまん、ちょっと
考え事してた」
「考え事じゃなくて
妄想だろ?お前の場合は」
うるさい、ほっとけ。
俺は今脳内で「学校に侵入したテロリストから好きな娘を守る」
という妄想を繰り広げて
るんだ、邪魔をするな。
「まあそう言うなって、
そろそろ帰ろうぜ」
気がつけば辺りは
結構暗くなっていた。
妄想の途中だが
しょうがない、帰るとするか。
その後は他愛のない
会話をしながらいつも
通りに家路についた。
この日の夜、俺は
このつまらない現実から
あり得ない非日常へ
誘うきっかけに遭遇する。
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