12人が本棚に入れています
本棚に追加
「オレがクラス見てあげる。」
顔を上げたその先
には、自転車の人が
にっこり笑って立っていたのだった。
自然なくしゃっとした
笑顔に心を奪われた。
「あの‥んぢゃ、、お願いします。」
あたしは照れながら
自転車の人に頼んだ。
「名前は?」
「へっ?あ、あぁ、はい、結城咲です。」
あたしがそう答えると
自転車の人は、ジャンプなんかせず、
人ごみの上から
クラスを確認した。
背が他の人より
頭1つ分くらい大きい
のですぐ探せたみたい
だった。
「あんたは1組。」
自転車の人は
そう言うと、あたしに
背中を向けながら、
手を振って、
体育館の方へ行って
しまった。
く~
自転車の人、
てっきりドジな人
だと思ってたのに、
かっこいいぢゃん。
あたしは心の中で
静かに思った。
すぐに右ポッケに
しまってた名札の存在
に気づいた/
これ返さないと!
すっかり忘れてたぁ
あたしはもうすぐで
1時になることに気づき
体育館へと急いだ。
最初のコメントを投稿しよう!