僕が生きた3年間

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僕は3兄弟の末っ子。 僕の事を気に入って飼ってくれたよ。 とてもやさしい感じの飼い主さん。 楽しい生活がこれから待ってると信じてたよ。 飼い主さんは独身で、僕を残して毎日仕事に出かけてた。 ちょっぴり寂しかったけど僕はずっと待ってたんだ。 夜の散歩しか出来なかったけどそれが一番の楽しみだったよ。 仕事で疲れて帰ってきても毎日僕のために散歩に連れて行ってくれた飼い主さん。 僕は体が大きいから飼い主さんはいつも大変だったと思う…… 一日一度の散歩が僕にとってとても嬉しかったよ。 そんな楽しい日が長くは続かなかった……… 突然僕を飼いたいと言う人が現れたんだ…… 子供が居ない若い夫婦だった… そして僕は遠くの町に連れて行かれたよ…… もう飼い主さんとは会う事が出来ない……… 別れ際に飼い主さんが泣いてた事が辛かった……… 僕も涙が止まらなかった……… もう会えないんだ……… 僕は新しい飼い主さんのもとで幸せに暮らせるのかな……… いつも欠かさず散歩に連れて行ってくれた元飼い主さんの事は忘れない……… 幸せな生活はここにはなかった……… ずっと庭で縛られたままだった……… 広い場所で走り回る事すらなかった……… 突然僕に冷たくなった若夫婦……… 別の場所に預けられた………… もう走り回る事が出来ぬままに………… 3年間が終わったよ……… 夜の散歩が一番の幸せでした………
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