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・・・思えば、水崎先生は背が高くて、声も少し低くてカッコいい声をしている。
だから、隣りを歩いている月音とは、20㎝も背の高さが違う。
(※月音は158㎝。水崎先生は180㎝。)
そして歳の差は5歳。
(※月音は15歳。水崎先生は25歳。)
なので、いつも音楽の時間や、職員室で座ってる先生を見てる時とは違う、身近な水崎先生を感じた。
カチャッ「開いたよー。さぁ、早く帰りましょう」
「ぇ・・・」
いつのまにか昇降口に着いて、先生は、暗い昇降口の外を遠い目で見ていた。
「・・・先生とまだ話したいんですけどー」
月音はおどけたフリをして言った。
「ぇえ?」
「ほら、まだ先生になった理由(わけ) 聞かせてもらってないですし」
「・・・まだ覚えてたんだ?」
「当たり前ですよー」
月音の笑顔に押し負けたというように、水崎先生は話し始めた。
「・・・勉強は嫌いだったけど、先生になりたいって思ったのは、大学生のときだった。その頃の将来の夢はピアニストだった」
「ピアニスト?」
「そう。男でピアニストなんて変かもしれないけど、小さい頃からピアノやってて、なりたいなーって思ってた」
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