TALL HEART

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「でもね、大学生のとき、近所の中学生の子に≪勉強教えてください≫って頼まれてさ。・・・まぁなんとか教えてあげて、その子が帰る時、すっごい明るくて眩しいほどの笑顔でこう言ってくれたんだ。 ”ありがとう” ってね」 「ありがとう・・・?」 「うん。その時ね、教える事が楽しいって思って、ありがとうって言われた事も嬉しくて・・・。そこから、誰かに何かを教えたい。だから先生を目指したいって思ったんだよね」 月音は水崎先生の話を聞いて、心に何かよくわからない、熱いものを感じた。 「へぇー、、すごいですね!なんか、、尊敬します!」 「まぁ、教えるったって今は音楽教えてるけどさ」 水崎先生は細い目をもっと細くさせて笑った。 『ズキッ・・・』 月音は胸にグサッと何か突き刺さった気がした。 ・・・もともと月音は水崎先生が好きだったのかもしれない。 熱い鼓動が身体をもっと熱くさせた。 .
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