5人が本棚に入れています
本棚に追加
「でもね、大学生のとき、近所の中学生の子に≪勉強教えてください≫って頼まれてさ。・・・まぁなんとか教えてあげて、その子が帰る時、すっごい明るくて眩しいほどの笑顔でこう言ってくれたんだ。
”ありがとう”
ってね」
「ありがとう・・・?」
「うん。その時ね、教える事が楽しいって思って、ありがとうって言われた事も嬉しくて・・・。そこから、誰かに何かを教えたい。だから先生を目指したいって思ったんだよね」
月音は水崎先生の話を聞いて、心に何かよくわからない、熱いものを感じた。
「へぇー、、すごいですね!なんか、、尊敬します!」
「まぁ、教えるったって今は音楽教えてるけどさ」
水崎先生は細い目をもっと細くさせて笑った。
『ズキッ・・・』
月音は胸にグサッと何か突き刺さった気がした。
・・・もともと月音は水崎先生が好きだったのかもしれない。
熱い鼓動が身体をもっと熱くさせた。
.
最初のコメントを投稿しよう!