記憶

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「確かに彼はいつも私達より多くを知っている。 それが有益なのかは、何も知らない私達にはわからないが、ね。 …………さて、女王陛下」 と、ここでパッと切り替えて女王様を呼んだ。 ……公爵さん、切り替え早し。 こちらの話をダルそうに聞いていたらしい女王様は、突然呼ばれてきょとんとしている。 「話を戻しますが、黒兎と名乗る者がアリスを連れていこうとしたのなら、おそらく近いうちにまた現れるでしょう。 でも異世界絡みの問題では、私達ではわからないし予想もつかない。 どうでしょう?あの占い師を訪ねてみるというのは」 「……占い師?」 聞き返すと、公爵さんは笑顔で頷いた。 「有名な占い師がいるんだよ。最近はあまりその噂は聞かないが…………きっと、君の為なら快く引き受けてくれるだろう」 へぇ……占いかぁ…… なんか面白そう!女の子はそういうの好きだもんね♪ 「因みによく当たるんですか?」 「72%」 「微妙ですね」 正直に感想を言うと、少しだけ笑った公爵さん。 見た目子どものくせにいちいち大人っぽいのが違和感あるし。 「占いなんてそういうものだ。未来をそのまま知るなんて、誰にも出来ないんだよ。 ……でも、当たる確率を少しでも上げることなら出来る」 「おぉ!何をすればいいんですか?」 「……無駄に楽しそうだな」 チェシャ猫がぽつり。 ほっといてよ。私占いとか好きなんだもん! 「占ってもらうのに必要なものがあるんだ。 それを渡さなければいけないんだが……それの質が高い程、確率が上がるんだよ」 ほへー。奧が深いなぁ…… 「……あぁ、あの占い師か。 占いなどくだらん」 「しかし、何もしないよりかはマシかと思いますよ。 私の屋敷に例の物があります。 彼女が管理しているものですから、それなりに質も良いでしょう」 彼女って誰だろう……と思い夫人をチラッと見てみる。 「あーあたしじゃないわよ。 あの子、真面目なんだけど一癖ある子でねぇ」 貴女も十分一癖ありますとか言いませんが。 すると公爵さんが私の方に向き直って、提案してくれた。
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