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「聞いていなかったみたいだね。
占いに必要な物は彼女が用意してくれる。
それまでこの屋敷で待っていてくれるかな?」
「そんなに時間はかかりませんのでぇ……少しの間、お待ちくださぃ。
すぐ用意いたします…」
料理女さんは立ち上がってにっこり笑った。
「……えっと、じゃあお願いし」
「さぁここを出よう」
えっ突然。
戸惑う私の背中をぐいぐい押して部屋の外へ押し出す公爵さんに引き続いて、夫人とチェシャ猫もキッチンを出た。
「ではアリス、また後ほど……」
料理女さんが言い終わるのと同時に、キッチンの扉は閉められた。
……えーっと…?
ハテナが飛びかう私に夫人は笑いながら肩を叩いてくる。
「あっはっは!面白い顔するのねぇ!
……あ、そうだ!待ってる間、あたしの特別ルームに案内してあげようか?」
「駄目だ、危ない」
また公爵さんから危ない発言!?
このお屋敷には一体いくつ危ない部屋があるのっ!?
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