第二章 二度あることは三度ある。一度あったことは二度ある。

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俺は毎日が繰り返しの退屈な日々にすっかり飽きていた。 かと言って俺は何か変革を起こそうとか言うわけでもなく、ただただ惰性な毎日をおくるだけだった。 学校の帰り道。俺は何も考えずにフラフラと歩いていた。 そんな時だった。空を切るヒューンという音が上からした。 何事かと思い上を見た俺は驚いた。空から人が降ってきたからだ。 抱き止めようにもかなりのスピードで落ちてきたので無理である。 俺は数秒間、足りない頭を総動員して対処法を考えた。 そして出てきた結論。体を張って受け止めろ。 「ですよね、こんちくしょう!!」 と、これから受けるであろうダメージに戦々兢々としていると胸部へ強烈な衝撃、そしてドゴッという鈍い音がした。 恐る恐る上にのっかっている人と思われる物を見る俺。 そして次の瞬間俺は目を見張った。 なぜならあの御坂妹(軍用ゴーグルを頭に掛けている)がいたからだ。 ……まさかな。 はっはっは、俺はまだ正常なはず。二次元と三次元の区別ぐらいつけられる。 この娘は本物の御坂妹ではなくてコスプレ少女がこの世に愛想尽かして死んでやるーっとか言ってあの近くのマンションの屋上から飛び降りた可能性だって無きにしもあらず。 取りあえず身元だけでも……と思って名前を聞こうと口を開きかけた瞬間彼女はこう言った。 「ここはどこですか、とミサカは現状確認を行います。」 そう彼女が言った瞬間俺の頭の中で作っていた彼女に対する質問は全くもって意味をなさなくなってしまった。 なぜかって?彼女が本物だとわかったからさ!!見た目や声から分かったわけではない。 まぁ、それもあるといえばあるのだが、何というか、こう、魂に訴えかけてきた。 「ここはどこですか、とミサカは再確認を苛立ちつつしてみます」 という多少苛立ちの含まれた声に俺は現実へと引き戻された。 これ以上返事をしないでいると、御坂妹に殴られそうなのですぐに俺は返事をする。 「ここは日本だ」 ……グーで思いっきり殴られました。親父にも殴られたことないのに!! 「ここが日本ということくらいはわかっています、とミサカは蔑みの視線をあなたに送りつつ話します。 ……仕方ないので質問を変えます、と役立たずだなこの野郎と思いながら提案します。」 そう言って彼女は立ち上がった。
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