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「じゃあ行ってくるな。またあとで。」
「うん。またあとでね。」
そう言っててっちゃんはあたしより先に学校に出勤した。
あたしもさっさと支度していかなきゃ。
てっちゃんが他の女の子たにしゃべりかけられてちゃ嫌だもん。
***************
「行ってきまーす。」
誰もいない家に向かってあいさつをして、あたしはそっと裏口のドアを閉めて鍵をかけた。
てっちゃん家は学校から遠くはないから、裏口から出て裏の門から出て、裏道に出て、通学路に出なきゃいけない。
他の生徒がてっちゃん家を知ってる訳でも、てっちゃん家の前を通るわけじゃないけど、念には念を。外に出るときは細心の注意を払わなくっちゃ。
あたしは誰かにバレてこの関係を壊されたくないの。
ましてや学校に知られたらてっちゃんが教師をやめさせられちゃう!!
あたしだけじゃなく、てっちゃんまで辛い目に合うなんて絶対ダメ!
この関係はあたしが卒業してからもバレちゃいけない。
だって禁断の恋だから。
秘密の恋でもいいの。あたしは今それだけで幸せだから。てっちゃんがいればもう何も要らないくらいに…。
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