第一章

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やっとお昼休み。 ユイと1つの机に向かい合わせに座ってあたしはサンドイッチを頬張る。 しばらく他愛もない話をしていると、ユイがいきなり変なことを聞いてきた。 「ねぇ、愛理はさあ好きな人いないの?」 「へっ!?いっいないよ。どうしたの急にそんな…あはは。」 予想外の質問にかなりドキッとしたあたし。ユイは勘が鋭いからバレちゃいそうでホントこわい。 「ほんとにー?愛理ってば本当に恋愛に関心ないよねー。っていうよりは異性に関心がないよね。独りって寂しくない?」 「さっ寂しいって…。別に30過ぎてもまだ未婚ってわけじゃないし。それ以前にあたしまだ15だよ?寂しいとか思うわけないじゃん。」 そんな根も葉もない嘘をつく自分。 ユイ。本当はそうじゃないんだ。あたしこわいくらい幸せなの。 罪悪感で胸がモヤモヤしながらも、あたしは笑顔を振り撒く。 恋愛に興味がないわけでもないし、異性に興味がないわけでもないの。 ただてっちゃんだけで十分だから。 「ユイはどうなの?あれから好きな人できた?」 何となく自分の恋愛に関しての話をしたくなくなって、平然を装いながら話の中心をユイへと移した。 「んー。まだ元カレ引きずり気味かも…。でも最近森下いいかもなぁって///」 「森下かぁ。おもしろいもんね。いいと思う!頑張ってね!!」 「うん。なんか恋多き女でごめんね。次から次へと…」 「そーゆーのも大事だと思うよ。経験って言うのかな…あたしにはできないし。ちょっと尊敬する。」 「あはっ。ありがと!愛理はホント優しいよね。あたしは愛理のそーゆーとこ尊敬してるよ。」 なんて恋の話のをしながらお昼休みが終わり、午後からの授業も終わってあっと言う間に放課後になった。 .
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