第一章

9/11
前へ
/13ページ
次へ
「ただいまー」 あっ!てっちゃんだ!! 「てっちゃんおかえりなさい!」 学校内で見かけてはいるんだけど、やっぱり傍にいてくれないと嫌だ。 「甘えん坊だな。愛理子は。」 いきなり抱きついてきたあたしをぎゅーっとしながらてっちゃんは優しい言葉をかけてくれる。 「俺もずっとこうしたかった。愛理子に触れたかったよ。」 その言葉だけで胸がいっぱいになってしまう。 「さっ、ご飯でも食べようか。お腹空いただろ?」 「うん!」 そういいながら背広を脱ぐてっちゃん。あたしはその背広を受け取ってハンガーに吊るす。 この作業はなんだか夫婦みたいであたし大好きなんだよね。 本当はご飯を作って帰りを待ってたいんだけど、てっちゃんがダメだって言うからできないんだよね。 だからあたしはお風呂を洗ってお湯をはることと洗濯物を取り入れて畳むことしかできない。 幸いにもここは団地から離れてるから、ベランダにある洗濯物を取り入れることができる。 お料理もできたら完璧なお嫁さんになれるのに!! .
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

56人が本棚に入れています
本棚に追加