One Age

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あと35秒…… 俺は握るシャーペンに力を込めた。 目の前には答案用紙。まぁそこそこ埋まっているが… あと17秒 あと17秒で試験は終わる!! 足が貧乏ゆすりを始めた。 早く終われよ!! 9…8…7……6…5 シャーペンを机に置いた。 3……2…1。 鳴る!! ゴーンゴーンゴーン バンっ!! 鐘と同時に机を蹴り倒す勢いで立ち上がる。 わき目もふらずに引き戸を開けると物凄いスピードで教室を出た。 「答案用紙集め……あ、おい、シオン!!」 試験監督の教官が叫んだが、その時には俺は遠くの彼方に消えていて……。 そんなことより、早くあいつらに会いたい。 俺はひたすら走った。 ††† 校舎を飛び出た俺は、そのまま全速力で学校敷地内を駆け抜ける。 『軍育成学校』と書かれた立派な門を潜り抜けて、すぐ先にそびえる巨大な壁の前で立ち止まった。 「お、シオン。今日も買い物かーっ??」 俺が立っている壁際から少し離れた所に、壁に埋め込まれるようにして存在している大きな門がある。その前に立っている番兵が、俺に向かって大声で尋ねた。 「ああ!!おっちゃん、早く開けてくれよ」「おっちゃんじゃねー」 返事を返すと、番兵がぶつぶつと文句を言いながら門に隣接しているこちらは小さい扉に消えてった。 俺は巨大な門の前に移動して、ゆっくりと軋むような音を立てながら開いていく門と、その両脇に永遠と続くそそり立つ壁を見上げた。  
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