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「?何ボーとしてるの?まさか目空けて寝てるの?結構強くひっぱったから痛くて寝てるまなんてない思ったんだけど…よしそれなら…」そういうなり彼女は小悪魔のような笑みを浮かべまたほっぺをひっぱった。
それもハンパなくおもいっきり。
僕はさっきまで考えていたことを中断し、いや、ここまでされると痛さで考えてる間なんてない!
すぐさま彼女の相手をすることにした。
「さっきのも痛かったけど今のは強烈に痛かったよ。腫れてるんじゃない?もうちょっと手加減してよ。」あまりの痛さに涙目になりひっぱられた頬をさすりながらいった。
「だって…なんか晃一昔のこと考えてるような目、してたから。」彼女は悲しそうに俯いて僕にぎゅっと抱き着いた。
まただ…またやってしまった。
僕は何度彼女にこの悲しい顔をさせたら気が済むんだろう。
悲しい顔はさせないって誓ったのに…。
付き合っても僕がふと昔のことを考えてしまうから彼女は不安なんだ。
…やっぱり自分ではなく、もう一人の方が良かったんじゃないかって。
そしてそっちへいってしまうんじゃないかって。
優柔不断なのを彼女は知っているから。
もちろん僕は今の彼女が好きだし、付き合ってからはもう一人の彼女とは連絡もとっていない。
一般的にいったら過去=終わったことになると思うが、今の僕達は過去=まだ終わってない。
何年たった今でもずーと続いている。
先に進んでも、また過去を思い出して振り出しに戻る。
ずっとこの繰り返しだ。
僕達は過去にとらわれている。
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