過去~序章~

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「待ってよ、晃一~!」 そういって僕の隣に息をきらしながら走ってきた彼女 「おはよ。遥。朝から走って登校か?元気だなぁ」 「晃一がおいていくからでしょ!」 「だって支度長いし。どうせ走ってくると思ってたし。」 ちらっと横目で見るとはぁっと大げさにため息ついてる遥がいた。 「女の子はみんな朝は忙しいのよ。髪もセットしないといけないし、いろいろ大変なの。ちょっとは女心わかりなさいよ。だいたいねぇそんなんだから晃一は…」 何やら隣で遥は一生懸命喋っているが、僕の耳には入らない。それより気になることがあるからだ。 「遥。制服のリボンついてないぞ。」 「はぁ?ここについて……ない!?・・・あ、そうだ鏡台の前においたままだった。どうしよ…先生に怒られちゃうよ。でも取りに帰ったら遅刻しちゃうし、うー晃一~どうしたらいい?」さっきまでとはうってかわり泣きそうな顔できいてくる。 「うーん。取りに帰ったら?あの先生風紀厳しいし。待っててあげるから。」授業中に教室入るのって緊張するし、僕も遅刻して一緒に入ったほうがまだいいだろう。言い訳もできるし。 「で、でも待っててもらったら晃一も遅刻しちゃうよ。やっぱり…」 「あ、僕も何か忘れ物した。何だったかな~?…ってことで一緒に戻るか。」遥が最後まで言わないうちにいった。 誰がどー聞いてもバレバレな嘘だった。 何かって何よ~!とかいってくるだろうと思ってたんだけど遥は 「  がと…」えっ?と聞き返そうと思ったら、隣には遥はいなかった。 先に行ったのかと思い来た道を振り返ってみると 「何してんの~!早く~!」 遠くで遥が手を振っていた。太陽も負けるくらいの眩しい笑顔で。 「おー!すぐ行くよー!」 遥が笑ってくれるなら僕は何でもしよう。 僕は遥が好きだから…
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