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「勝負あった、でしょっ?」
愛流は鎖鎌の刃を踏みつけつつ玲菜を見下ろし、
「でも驚いたわっ。自分じゃ戦わない人だと思ってたもの」
やや皮肉な笑みを浮かべた。
「まだよ……!」
「えっ?」
「まだ終わっていませんわ!!」
「ええーっ!?」
玲菜はやおら愛流の喉元に飛びついた。
その動きは猫科の獣のよう。
「あなたを倒すまで終わりませんわ、天見愛流!!」
「ちょ…! ちょっとちょっと審判ーっ?」
ひかるは首を振った。双方が戦いきるまで止める気はない。
「ぐぅ…っ」
愛流は仰向けに倒れ、呻いた。
玲菜の細い指が瞬く間に首に絡みつき、締め上げている。
(あれ…目の前が、なんか暗い…)
なりふり構わなくなった玲菜の力は強かった。
愛流は手足に力が入らなくなるのを感じた。
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