4・戦闘(課外活動)

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視界が翳ってゆく。 (やだ…誰か…助けて!) 意識が消え入る寸前に呼んだのは、 誰の名だっただろう。 (……だれか) 誰の名も浮かばなかった。 そもそも孤独な少女であった。 (おかあさんがいるじゃないの) そこへ、 呼んでいないのに答える声が。 (おかあさんをいつでも頼ってくれていいのよ) ずっと昔に聞いた声だった。 (おかあさんはいつでも愛流を見守っているの) それは母親ではなく、 一時『おかあさん』と呼び習わしたヤマケであった。 (おかあさん、これから上之宮玲菜を殺すわね) 「…! やめて…!!」 (上之宮玲菜を……殺す!) ぶぅぅぅぅん…… 辺りに夕闇が降りはじめていた。 山全体を揺るがして、 恐ろしい羽音が、響き渡った。 【覚書】 天見愛流の戦闘能力には問題なし。霊体との交信能力と共に、充分な利用価値を認める。 ただし精神的に留意すべき点あり。 ……観察を続ける。
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