1・学園(登校風景)

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途端に、あたり一面が木の葉の大雨に見舞われた。 投げつけられた塊がカナブンに当たって炸裂し、夥しい数の木の葉が飛び出したのだ。 カナブンにダメージはないようだが、 戸惑ったように空中をふらふらし出す。 木の葉は校舎前の広場を埋めつくす勢いで降り続ける。 その向こうに曽根川ひかるが見たのは、 (黒い…天使……?) ではなくて、 それは風変わりな恰好の少女だった。 背に羽根飾りのついた黒っぽいミニワンピースを身にまとい、 栗色の髪の毛は……何故か頭頂部のひと束が触覚のように飛び出している。 「天見愛流!?」 触覚少女の姿を振り仰ぎ、叫んだのは上之宮玲菜だった。 玲菜を見つめ返すと、黒い天使はにっこり笑う…… 「部長って呼んでほしいなっ」 木の葉を全身にかぶりながら、曽根川ひかるは見た。 天見愛流と呼ばれた少女が、 ぎょ、ぎょぎょぎょぎょ。 壊れかかったマウンテンバイクを駆っているのを。 (僕の愛車ーーー!!) 【覚書】 裏山探検部(略称ヤマ探)、現在の部員数 ……一名。
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