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ゴゴゴゴゴ―
真っ赤な炎が燃え盛る。
元治元年6月5日。
京都三条木屋町の旅館、池田屋で潜伏していた長州藩、土佐藩などの尊皇攘夷派を京都守護職配下の治安維持組織である新撰組が襲撃するという計画がたてられた。
『――ゴホッ…くそ、目の前が霞んできました…』
大きな炎の中に1人青い着物を着た人物がいる。
『はぁ、はぁ…だいぶ深く斬られたみたいですね…』
新撰組隊士、吉野皐は攘夷派の侍と闘ったすえ腹を大きく斬られてしまった。
『(くそ…皆さんは…沖田隊長は大丈夫なのでしょうか)』
ガクッとかた膝をつき肩で息をする皐
『はぁ、はぁ…ゴホッゴホ…』
咳き込む手を見ると吐血の後がのこっている
『チッ…(こんなことになるなら最後に沖田隊長に…)』
朦朧とする意識のなかそんなことを考えていると、若い男の声がきこえる
「―さん―…さん!!」
『だ…れ…?』
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