起 ―異変―

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「光を操る力、名前とかぶってて、ちょっと照れくさいけど、それが僕の力です」 「すごい……」  純粋に思ったことが口に出た。  ――本当に、もしかしたらこの子は……。  青く光るそれがきれいで、ひかるの持つ光の前に立つと、それに手を伸ばしていた。 「危ない!」  そうひかるが叫ぶのが聞こえたかと思うと、光源は消え、あたりは真っ暗になってしまう。再び、今度は先程より鈍い光が、ひかるの右手の上にあらわれる。 「ごめんなさい。危なくないとはいえ、普通の電球くらいの熱は持つから……」 「いや、うかつな行動をした私が悪かったわ」  そういって、私は踵を返し、鈍い光を頼りに電気のスイッチのところまで行った。カチッという君のいい音とともに、オレンジの光がまた部屋を照らし出す。 「信じて頂けましたか?」 「一応はね。分かったわ。ひかる、あなたは今なにがしたいの?」 「…………この体を元に戻したいです。心当たりが……」  ぎゅうう、という大きめの音が、ひかるの言葉をさえぎった。顔を赤くしながら、音が出た部分をさすっている。 「……ふふ、腹ごしらえね。ちょっと待ってて」  ベッドの置いてある反対側の壁にかけられた、木目調の四角い時計を見ると、九時半を少し過ぎた所を指している。夕飯の時間は終わってしまっているが、この時間なら蛍子さんの手も空いているだろうし、お夜食程度なら作ってもらえるだろう。ひかるには部屋に待ってもらって、私は部屋を後にした。
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