承 ―魔法―

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「あの、本当に学校に行かなきゃ駄目ですか? この格好で……」 「我慢しなさい。今は女の子なんだから。それに、すごく似合ってるわよ」  以前愛流を泊めたとき「温泉にきたみたい」と言われたお風呂のお風呂場は、六畳ほどの大きさになっていて、入って左側には洗面台が三つ連なり、その上には大きな鏡がはってある。その鏡を見て赤面するひかるは、今の私と同じ服……紺色のスカートに、襟元が紺色で赤いリボンの付いた白いセーラー服を身に着けている。 「私の予備の服だったんだけど、ぴったりみたいね」  どうしてこうなってしまったんだろうとでも言いたそうな表情をしていたひかるだったが、私はその表情を無視し、彼女の手を引いてお風呂場を出た。
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