承 ―魔法―

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 放課後、私は迎えを呼び二人と一緒に家まで帰る。今日は蛍子さんが車を運転している。車内では他愛のない話をしていた。  家に着き車を降りると、観音開きの扉が開き、「お帰りなさいませ、お嬢様」と蛍子さんとは別のメイドが声を掛ける。 「ただいま」 「お邪魔しまーす」 「え、えっと……」 「ひかる、あなたはただいまでいいわ」 「あ、はい、……ただいま」  家の中に入ると、二人を連れて、二階の私の部屋へ向かう。 「はぁ、やっぱり玲菜のお家はすごいなぁ」 「そうかしら? プール付きの庭があるわけでもないし、別荘だって一つしかないわよ?」 「プールがなければお金持ちではないと言う時点で、あたしたちとは感覚がずれてるよ」  そんな雑談をするうちに部屋へ着く。扉を開けて電気をつけ、二人を中に入れてから私が入り、扉を閉める。念のため、扉の鍵はかけておいた。 「じゃあ、ひかる、説明お願い」 「あ、分かりました」  昨日私にした話を愛流にも話す。昨日と同じく、証拠のために魔法で出した青い光を、愛流が私と同じように触ろうとしたのには、ひかるとそろって苦笑せざるをえなかった。
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