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そう言うと、ヴィジノ学長は軽く右手を上げ、ゆったりとした歩調で去っていった。人柄はともかく、その身のこなしには、なるほど学長らしい威厳がある。
彼の背を見送ったアミルは、もう一度電子掲示板の文字を眺め、含むように数度頷く。
「ミスコンかぁ……。せっかくだから、あたしも参加してみようかな」
「あらあら。あなたのその容姿では、恥をかくのが目に見えておりますわよ? 優勝するのはこのわたくしに決まっておりますわ」
「そんなの、やってみなきゃ分からないでしょ?」
アミルはレイナを一睨みした後、隣のルシカへ笑顔を向け、
「もちろんルシカも出るよね、ミスコン!」
「いやだから、ぼくは男だって」
「大丈夫大丈夫! ルシカもたまには女の子らしい格好しないと!」
「女の子じゃないから! 男だから!」
「お二人の晴れ姿、せいぜい楽しみにしておりますわ。オーッホッホッホ!」
「だーかーらー、ぼくは男だってばーっ!」
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