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『お前だよ、お前。シカトすんなって。』
コウは振り返った。
『まったく…探したぜ~。こんなにフラフラ動くヤツも珍しいな。』
そう言ってコウに男が近づいてきた。
コウとさほど年齢は変わらないように見える。スーツを着ていて、ちょうど就活期の大学生といった感じだ。
『…俺が見えるんですか?』
『当たり前だろ。じゃなきゃ話かけねぇよ。俺はお前をずっと探してたんだ。』
『あなたは誰なんですか?』
『俺か?……う~ん、何て言ったらいいかなぁ。まぁ、天使と悪魔の間ってとこかな。』
『………?』
『要するに、俺は幽霊をあの世に送るのが仕事なんだ。』
『え……ということは俺を…??』
『まだだ。まだお前を連れてくわけにはいかない。』
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