コウ

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『……わからないんです…。』 『え…わからないって…?』 『俺には、名前以外の生前の記憶がなくて…、ただ、ここが自分にとって特別だった気がするんですよ。』 『そうだったんですか…。』 レイは他にどんな言葉をかけたらいいかわからなかった。 『…それで、あの、最初の話なんですけど…。』 コウがおずおずと話を切り出した。 『俺、幽霊だから、レイさんと付き合えませんね…。』 レイは、コウが好きだった。幽霊だってかまわない。コウなら怖くないし。 『私は幽霊のコウさんを好きになっちゃったんですよ?だから、今さら幽霊何てこと、気にしません。』 コウは嬉しそうに笑って、 『すごく嬉しいです。こんな俺ですが、よろしくお願いします。』 レイは、コウの笑顔に完全にノックアウトされた。
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