3人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
「脳みそアンコ男、ご苦労さま。」
「果実煮詰め爺、一つ聞きたいんだけど…。」
「何かね?」
「なぜボクは戦わないといけないんですか?」
率直な質問をぶつけてみる。
果実煮詰め爺は、少し渋い顔をした。
「…バイキン男が町を…世界を滅ぼすからじゃ。」
「バイキン男は本当に悪い奴なんですか!アイツは…本当は…!」
「…アイツは悪じゃ、脳みそアンコ男、オマエはわしの言うとおりに―。」
「正義の反対は悪じゃない!また別の正義なんだっ!!」
ボクは外に飛び出した。
自分がいるべき場所はここじゃない。
「「脳みそアンコ男!」」
かすかに、果実煮詰め爺と乳製品女がボクを呼ぶ声が聞こえたが、ボクはもう止まれなかった。
「アヤツめ…乳製品女、例の試作機の用意を。」
「え、でもあれはまだ…」
「ワシの言うことが聞けんのか。」
「っ…わかりました。」
夜空に輝く満月の晩。
一人の男の運命が動きだす。
最初のコメントを投稿しよう!