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「それは時雨自身のってこと?」
「そ♪『あらゆる武器を扱う程度の能力』。それと、その身体の持ち主の『全ての技を使える程度の能力』もプラスね」
「…こうやって聞いてると、僕ってかなり強くないですか?」
あらゆる武器を扱うとか、全ての技を使えるとか…
「下手したら紅魔館のメイドより強いかもね」
「さて、能力もわかったことだし幻想郷について説明するわね?」
永琳さんは姿勢を正し、紫さんと一緒に幻想郷の歴史や弾幕ごっこのルールやスペルカードについても教えてもらった。
「ところでいたずら兎とうどんげはどうしたの?」
「うどんげは多分もう少ししたら来るわ。てゐは…」
「ここ、うさ♪」
「っ!?」
いつからいたのか、僕の後ろに耳の垂れた小さなうさみみの女の子が黒い笑みを浮かべ立っていた。
「お風呂入るのにバスタオル巻いてるなんてマナー違反!」
言い終えると同時に僕からバスタオルが引っ剥がされた。
「っ!!!!////」
「意外と大きいわね、時雨ちゃん…」
「けっ、生意気うさ…」
「てゐ、何度言ったら…」
笑みを浮かべながら煮えたぎるような怒気を出す永琳さん。
流石のいたずら兎も全裸で一目散に逃げ出した。
「…え、永琳さん…」
怖い…(泣)
「師匠!さっきそっちにてゐが…。逃げた…みたいですね…」
風呂場の入り口からひょこっと顔を出したのはうどんげさんだった。
永琳さんの表情を見てかなり怯えている。
「そろそろ上がりましょうか」
打って変わって優しいスマイル。僕も少しのぼせかけていたからそれに従うことにした。
浴衣に着替え玄関へ向かった。
紫さんが僕を瀕死にしたお詫びをしたいというのでついて行くことになったのだ。
「大変お世話になりました。治療費は…」
「紫が払ってくれるみたいだから大丈夫よ(黒笑)」
「…逃げろ!!」
「ぇっ…」
またあの時のように地面が裂け、黒い空間に呑まれた。
「…覚えてなさい」
落ちながら永琳さんの怖い笑みが見えた気がした…
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