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景色が変わって神社の前に着いた。
「…そういえば、永遠亭まで運んでくれた人の名前を聞くの忘れてた…」
「あぁ、この用事が終わった挨拶しに行く?」
「知ってるんですか!?」
「えぇ。竹林で人助けするのはあれだけだし…」
言いながら紫さんはお賽銭箱に近づいた。
そして僕に小銭を何枚か握らせる。
「あの、これは…」
「いいから入れてみなさい」
僕は言われた通りお賽銭箱に小銭を投入した。と、
「いらっしゃーい!!博麗神社へようこそ☆」
境内の奥から紅白の巫女装束の少女が現れた。
「霊夢ぅ、久しぶり」
「あ、え…?紫?何よ…」
ハイテンションから一気にニュートラルになった。
「あからさまに嫌な顔しないでよー」
「で、何の用?」
睨みつける霊夢さん。紫さんはそれに全く動じていなかった。
「この子にスペルカードの素あげてくるない?」
「…能力持ちなの?」
「そうよぉ♪」
少女?説明中…
「なるほど、確かに強いわね…。ちょっと待ってて」
霊夢さんはスィーっと空中を浮遊して奥に消え、数分で戻った。
「はいこれ、魔力を注げば使えるから。一応五枚渡しておくわね」
「ありがとうございます、霊夢さん」
深々とお辞儀。
「慣れたら相手してね。それとさん付けは止めて、霊夢でいいから」
「わかりました。あ、僕は雨深夜 時雨です。僕も時雨でいいですよ」
「因みに元男…」
紫さんがぽつりと呟く。
霊夢は少し考えて、
「…ニューハーフ?」
「違います!」
「冗談よ(笑)あとで時雨の歓迎を兼ねて宴会を開くから、参加してね」
「わかりました、それでは」
霊夢に軽く会釈して紫さんのスキマをくぐった。
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