ゆかりんに瀕死にさせされた少年。

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―――竹林――― 「妹紅ー!」 紫さんが周りに響く声で誰かの名前を呼ぶ。 「こっちだ」 声は僕のちょうど左、みれば白色の髪の少女が立っている。 「あぁ妹紅、この子よ一昨日あなたが助けた外来人」 紫さんに紹介され軽く頭を下げる。 「瀕死の僕を助けていただき、本当に有り難うございます。感謝しきれないです…」 「いいって、身体入れ替えたんだろ?具合は大丈夫なのか?」 「大丈夫です。あ、僕は雨深夜 時雨、時雨と呼んで下さい」 ぺこ― 「私は藤原 妹紅、妹紅でいい」 「それでは妹紅さん、これを…。命を助けて頂いたお礼です」 言って僕は両手を広げる。 初めての能力の行使だ。 『フライパン』 一応武器のカテゴリーなので攻撃力はかなり高い。熱伝導をよくする魔法処理付き。 「卵焼きやステーキなどの調理から緊急時の武器としても使える優れものです」 「別に礼なんて…。まぁ、有り難く受け取っておくよ」 どうやら気に入ってもらえたようだ。 「因みに耐久力あるので投げても大丈夫です」 「そうか、それじゃあ輝夜で試そうかな(笑)」 そう言って妹紅さんは二、三回素振りを開始。 「それじゃあ私たちはおいとましましょうか」 「そうですね。それでは妹紅さん、また」 「おう、いつでも遊びにきな。待ってるから」 今度は弾幕ごっこをしてみたいなと思いつつ紫さんのスキマを通過した。 そこは人形屋敷だった。 いたるところに飾られた数多の人形達。 「あの、ここは…」 「人形使いの家よ、時雨ちゃんへのお詫びの品を頼んであるの」 人形…なのかな?あまり可愛いのはやだな…。 「来たわね、朝一番に連絡よこしておいてお昼過ぎに来るなんていい御身分ね…」 廊下の奥から金髪のフランス人形のような少女が現れた。 少々…かなりご立腹のご様子…。 「仕方ないじゃない、永遠亭のお風呂広くて気持ちいいんだから♪」 「待たせていたのなら言って下さいよ紫さん、寄り道結構したじゃないですか…」 紫さんは懲りないようすで聞き流していた。 「あなたが雨深夜 時雨ね?…アリス・マーガトロイド、よろしく」 「はい、よろしくお願いし…」 「敬語使わなくていいわ。気にしないから…」 そう言ってアリスは僕たちを奥へと案内してくれた。 そこでは小さな人形達が掃除や炊事をしていた。
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