不思議な世界

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小さい頃、めちゃめちゃ身体が弱かった。 死にそうな大病も三度あり、小児喘息も加わって母方の祖父母は神社にお地蔵様にと、大変だったらしい。 小学5、6年の1月だったと思う。 風邪で37度少しの熱を出して、いつものように布団で寝ていた。 この位の熱は 慣れたもので、頭の中はスッキリとしていた。 布団の右側に窓があり、冬の日には珍しい 暖かな陽射しがカーテン越しに 明るく感じられた。 その窓の横の 私の足元側の壁に カレンダーが 掛かっていた。 どこにでもある普通のカレンダーで、札幌雪まつりの写真が大きく付いていた。 布団に寝ていた私は なんとはなしに、カレンダーを下から眺めていた。 大きな雪像、沢山の観客が列をなして歩いている。 突然、その列が動き出した!目の錯覚かと思い、目を凝らして写真を見る… 人の列は その写真の枠の中を 歩いて流れて行く…そのうち ザワザワと人混みの慌ただしい声や音迄聞こえて来た。子供、大人、家族連れ…ザワザワと人波は続く… 一瞬、意識の先がズレた!そして写真の流れと音は 止まった。 不思議と怖くはなかった。 高校の頃には 部活で一緒になった新しい友達の家に遊びに行った。 石山にあるその家は 二階建てで 家族4人の普通の家だった。 友達の部屋は 二階にあり私は 部屋の真ん中に置かれた炬燵に座るよう勧められた。 炬燵に落ち着いて、なんとはなしに部屋の中を見ていると、何故か前にもここに来たことがあるような、感じがした。なんだろう?見れば見るほどそれは強くなった。 「あっ!」 突然、ピントがあった。 一週間位前、夢の中で私はこの部屋の天井の隅から この部屋を 見下ろしていたのだ。 何度か 不思議な事はあるが、いつもそれは突然やって来て、次の開催は不定期である。
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