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4、5才の頃、家の前は農家の畑で さらに100メートル位先の山には古いお寺が二軒並んでたっていた。
ある日お寺に向かう道を 立派な身なりをした人達が次から次へと歩いて来るので、興味を持った私は付いて行く事にした。
本堂の前には受付があって「ここは違うからお家に帰りなさい。」と言われ、良く知った裏口で炊き出しに来た近所のお母さん達を見ていた。
皆見知った顔が多いので煮付けを分けてもらって、礼を言って食べていると 喪主らしい年輩の男性が私を見つけ、本堂に連れて行くと立派なお膳の前に座らせた。普段着の私は 立派な黒い服の大人達と立派なお膳に囲まれて、食事をした。
私の記憶は此処までだが、高校生の頃 ふとこの話を母にした。
「家の前で遊んでるとばかり思ったらいないし、向いの農家の奥さんが お姉ちゃんさっきお寺さんに歩いて行ったよ。って言うから行ってみたら、ちゃっかりお葬式のお膳ご馳走になってるんだもの…すごく恥ずかしかったんだよ!!」
まあ!まあ!小さい頃の事だし珍しかったんでしょう~と私が言うと
「あんた…それ一回じゃないんだよ!何が良かったのか、それからお葬式の度に出掛けて行って、そのたびに向いの農家の奥さんが知らせに来てくれたんだから!」
今となっては 何故小さい私が お葬式マニアになったのかはわからないけど、私を迎えにお寺に走る母の気持ちは良く判る…
何十年ぶりに言う
「どうもスイマセンでした🐷」
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