AM 7:30

2/5
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
  朝の通勤途中で店はラッシュになる時間帯。 まだ警察の調べは続いている。 次々に入れ替わる人波の中、俺は外で佇んでいた。 店内を見れば、朝番のおばちゃんが慌ただしくレジを叩き、質問する警官には目も合わせずひたすら客を捌いている。 さっきナイフを突き付けられたばかりなのにあの頼もしさ。 さすが長年コンビニのパートタイマー、松村さんだ。 俺も長く働くが、 さすがに松村さんを犯したいと思った事は一度もない。 あの人には色んな意味で、一目置いている。 まあそんな事より今日は色々有りすぎた。そろそろ帰って寝るとしよう。 そう思った時、急に店内が慌ただしくなり始めた。 警官が、客を表に出し始めたのだ。 何やってんだ? 明らかに様子がおかしくないか? そういえば松島さんの姿がない。 このラッシュ時に休憩する子ではないはずだ。 事情を確認する為、俺は店に足を踏み入れた。 『坂下さんですね。少し事情を聞かせて貰えますか。』 同時に一人の警官が俺に声を掛けて来た。 なんだろう、この違和感は。 決してこれは、1日に2度も名前を間違えられたからではない。 『しゃ、坂本です』 俺はどもりながらそう答えていた。          ▽ゆうび▽
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!