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青年は嘔吐していた。
都会の喧騒に、猥雑に、乱痴気に。
コツ、コツ、コツと、聞こえてきた卑猥な音。
鳴らすはミニスカートの雌。
反応する下半身。
妄想の中で瞬間的に女を犯す。
青年はただただ、お絵描きする幼稚園児の如く恥部を
シゴいた。
上から下から、吐露する己の濁々液を眺めながら青年は我に帰り、水を流す。
「まるで俺の収縮図のようだな」
長すぎる前髪を掻き分けながら青年は自嘲気味に切れ長の目を流し、呟き、便所から出た。
コンビエンスストアのレジ打ち。
これが俺の現実で、
俺の宇宙だ。
AM3:25
今日も時間通りにあの男が来る。
華奢なメガネに細身のスーツ。
黒光りする靴は富の表れ。
嫌でも匂う、金の臭い。
…虫酸が走る。
そう思っていた。
ずっと。
この日、俺は。
俺は。
銀杏青心小僧
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