AM 3:25

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475円の釣り銭を渡す時、スーツの男が口を開いた。 「お前、名前なんてんだ?」 …お前? 腹の奥底で不快感が踊る。 この男は殆ど初対面の俺に対し何と無礼な振る舞いをするのだ。 俺は怒りの余り俯き、メガネをくいと上げて答えた。 「さ、ささ、坂本です」 しまった。 どもった。 「ふーん」 男はさほど気にした様子もなく、レジ袋に入った商品を受け取り、その場を去った。 なんやあの男…。 自分から名前聞いておいてそのリアクションかよ…。 「お前、目ぇ死んどるな」 振り向くと、去ったはずの男が自動ドアの前に立っていた。 「お前の両目は一体何が見えとるんや?」 そう言い残し、今度こそ男は立ち去った。 …薄笑いを浮かべながら。 ああああああ苛々する! 畜生!畜生!畜生! なんなんだあの馬鹿にした目は! …してやりたい。 殺して…やりたい…! 「ちょっとー。レジ待ってんだけどー」 ハッと我に返り前を見ると、見るからに頭の悪そうな女が立っていた。 …犯すぞこのアマ… 危険な激情を抱えながら、 「も、もも、申し訳ありません」 と言い俺は、また無表情でレジを打ちだした。         銀杏青心小僧
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